8月13日の練習は先週と同じく、前半はカンタータ134番の合唱曲をさらったうえで、後半は187番のコラールと最初の合唱曲を練習しました。
最後の15分間ではト短調ミサを通して演奏しました。ト短調ミサを通したことで本番前一か月にもかかわらずまだまだの仕上がりであることが多くの団員の実感として残ったことと思います。
両カンタータの練習で印象深かったのは、曲の区切りでパート全体が一拍遅れて終わるという「珍現象」が二回、別々のパートで起こったことです。ここで改めてテンポを正確に取ることについて渡辺先生より指導がありました。曰く「音程とテンポがどちらか大切かとあえて問われればテンポと言わざるをえません、テンポを間違えると元も子もないからです。」
バッハの対位法の曲は4つの声部がある時は数拍おいてそれぞれ進行し、ある時は和声的に一緒に動き、またある時は2つずつ組になって動いたりして、まさに変幻自在、目の回るような複雑な綾を織りなします。それを正確に表現するにはテンポ感を一人一人の団員がしっかり持って自分で音楽を作り出していくのだ、という自立した気持ちが何よりも必要になってきます。
西欧文化が自立した個人を基盤としている、というよく言われますが、そのことはこういった芸術の領域でも体験できるのかもしれません。
2016/08/14 22:01